ケース9、札幌カビハウス
   
定年退職を迎えたFさんが、第2の人生として事業を始めるために、社屋兼住居として、建てたプレキャストコンクリートの地下1階、地上2階の建物にまつわる欠陥問題。

設計施工をしたのは大手(会社は大きいが住宅部門としてはそれほど知名度は無い)ハウスメーカーのUハウス。北海道においてはあまり気候条件を理解していないようなところが感じられる。


  最初はこんな現象から始まった  札幌Fさん宅
天井が膨れている。これは天井裏に水が溜まっているため。
数日後、水の重みで天井が落ちてきた。幸いケガは無かったが、ずさんな施工のおかげで本やパソコンなどが被害を受けた。
フローリングにカビが発生してきている。表面にカビが発生するということは床下にはそれ以上のカビが発生していることを意味する。 

壁表面までカビが発生してきた。
壁を剥がすと内部の木材は腐食している。
通風の無い階段下の収納内部は、このようにひどいカビが生えていた。

事の発端は地下室の天井が突然落ちてきたことだ。よく見ると天井裏に水が溜まっており、その水の重みで落ちたことが判った。その水がどこから来てるのかということが本人は当然だが、業者も分からず、ただ時間が経過していた。Fさんはこのようなことがあったので、補修を催促していたが相手は全く応じず、挙句の果ては追加工事の代金を支払えという訴訟を起こしてきた。しかし札幌地裁の判断は防水工事の不備は多少認めたものの、損害金は微々たるものというものだった。二審の高裁においても同様な判断が為された。Fさんは途方にくれた。

先ずは北海道の建築士に依頼して建物を見てもらったそうだが、原因に関しては結露であるとの判断がなされたようだ。建設業者の間では、「結露=自然現象」であって欠陥ではないといった思想や見解が存在するが、結露も立派な欠陥だ。しかし私が検査を行ったときは、結露だけでは済まない、他にも原因があるはずという確信を持った。そこで屋上にて水掛試験をしたときに、案の定防水の立ち上がり端部から浸水し、室内の天井から流れ落ちた。従って原因は結露ではなく雨漏り。正確に言えば雪解け水の漏水だ。

その後も建物は屋上からの雨漏りが(雪漏れ)が継続していた。防水工事の不備が原因であることは間違いなかった。許せないのはこのUハウス。Fさんがクレームを言ってから一度も現場を見にも来ない、施工不備に対する謝罪もない。いい加減な施工をしておきながら、事故が起これば代理人弁護士や裁判所を使って消費者を陥れてくる姿勢は、許しがたいものがある。



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