CASE002.大阪の欠陥マンション-1-
売主:㈱生地や
施工:㈱超有名な会社
設計:㈱同上
駐車場スラブコンクリートの後打ちや、タイル伸縮目地の不良、界壁遮音構造の不備等は、建物の機能や品質よりも、作業上の工程や工数の削減、施工の容易性等を優先した施工の瑕疵である。
これらは見た目には判らないが、現状コンクリートのひび割れや撓み、タイルの浮きや住戸間の音の問題が顕在化しており、建物の機能や安全性を損ねる事が無い様、抜本的な 改善が求められる。
欠陥1:スラブコンクリートの後打ち
床下の地中梁側面には、スラブ型枠設置高さの陸墨及び型枠固定釘があり、また、スラブコンクリートのノロが流れた跡が見られるため、スラブコンクリートは地中梁と一体打設では無く、後打ちしている事が確認出来る。
欠陥2:スラブコンクリートが地中梁外端まで打設されていない
駐車場前面側下部の地中梁の幅は550mm、地中梁の側面はタイル張り柱面より約30mmの位置にあり、スラブコンクリートが地中梁外端まで打設されていない事が確認出来る。
欠陥3:地中梁鉄筋の露出
床下の地中梁に、鉄筋の露出があり、スターラップ鉄筋のかぶり厚さ測定値が30mmである事が確認出来る。
図面で指定された基礎の鉄筋かぶり厚さは70mmであり、鉄筋の防錆並びにかぶり厚さ不足によるコンクリートの耐久性の改善が必要である。
欠陥4:鉄筋かぶり厚さ不足
床下の地中梁の鉄筋かぶり厚さ測定値が45mmであり、図面で指定する70mm以上に適合せず、改善が必要である。
欠陥5:上端側梁断面の欠損
貫通孔(φ300)は人通口(φ600)との離れが約170mmしかなく、配筋標準図の規定に適合しない。
よって、地中梁構造強度の検証が必要であり、結果によっては改善が必要である。