事件簿010.青森の構造欠陥雪漏れハウス-2-

設計図から読み取るとすべての耐力壁の倍率は「5」となっていた。

「5」を確保する組み合わせは複数ある。標準的には45×90の筋交いをたすき掛け+石膏ボード、また両面に構造合板を張る、などだが、この建物に関しては、90×90の筋交いをたすき掛けという設計になっていた。しかし壁の厚さが105しか無く、90の筋交いがたすきで納まるような厚みはどう考えても無い。つまり筋交いはたすきが有効になっておらず、片方しか有効にはなっていなかったのだ。したがって、壁の倍率は「3」しか評価されないことになる。構造計算書の耐力壁の倍率を全て「3」にして改めて計算すると、耐震強度が不足していることが分かった。また筋交いはもちろん、梁などの仕口にも金物が使われておらず、極めて耐震上不利であるとの結果が出た。

欠陥4

穴は空いているが、羽子板ボルトがつけられていない。また筋交いは太い90mm角が使用されている。

欠陥5

継ぎ手も金物が使用されておらず、ゆがんできている。